アヴェダの社会環境への配慮
アヴェダは動物実験をしないブランドです。社内での動物実験はもちろん、第三者機関に委託することもありません。
動物実験をしないブランドであるということは、自分たちの暮らす地球とそこに共存する生物を思いやるという、1978年の創設以来続くアヴェダの使命の重要な要素の一つです。
アヴェダは、美の世界のみならず、あらゆる世界においてリーダーシップと責任をもって環境保全の模範となる企業を目指します。動物や野生生物に配慮するというアヴェダの誓いは大きく広がっています。
1989年、アヴェダは民間企業として初めて、地球と“そこに住むすべての生物”の保護を訴えるCERES原則に署名しました。
そして、2021年1月1日、ついにすべてのヘアケア、スタイリング、ボディケア、スキンケア、アロマ 、ヘアカラー製品がヴィーガン*1になりました 。
ミネソタ州ブレインにあるアヴェダの製造工場は、全米野生生物連盟(National Wildlife Federation、NWF)から野生生物の生息地域として認定されています。敷地内の野生生物保護のため、アヴェダはNWFと協力して“思いやり運転”の標識を作っています。
また、アヴェダはミネソタのオーデュボン協会とともに、ミネソタ州ブレインにある本社敷地内の鳥類繁殖地の保護も進めています。この協力事業では、エントツアマツバメやムラサキツバメのネストハウス、アメリカオシドリのネストボックス、ルリツグミのネストハウスの設置などを行っています。
2007年以降はアヴェダ アースデー月間プログラムを通してオーデュボン協会のミシシッピ川上流での活動も支援しています。この活動では、ミシシッピ川周辺の鳥類その他野生生物の棲息地を保護するため、水質改善事業に直接の資金援助をしています。
2010年以来、アヴェダ本社では社員から使用済み携帯電話を回収し、ミネソタ動物園の後援する熱帯雨林のためのリサイクルプロジェクトに寄付しています。この寄付金は現在、コンゴ共和国(西アフリカ)のグアルゴ三角地帯霊長類プロジェクトによる保全対策に使われています。
自然災害発生時の動物救援活動も支援しています。ハリケーン「カトリーナ」襲来の際にはアニマル ヒューメイン ソサイエティに寄付したほか、メキシコ湾原油流出事故のときには全米野生生物連盟(National Wildlife Federation、NWF)にも寄付をしました。
アヴェダでは、絶滅の危機に瀕する植物とその棲息地、そこに棲む動物たちを保護する草の根団体の支援も行っています。アヴェダのネットワークを介して過去10年集められたこのための募金は、800万ドル以上に上ります。
2006年には、絶滅危惧種保護法を支持するため、関係者やお客様から50万筆以上の署名を集めて国連およびホワイトハウスに届けました。
ミネソタ州ブレイン市の本部では、殺虫剤を使わない餌や水、シェルターを用意してミツバチの棲み処を作るなど、養蜂を実践しています。
ワイルドライフ フレンドリー エンタプライズ ネットワークのWildlife Friendly®認証を受けた、ネパールのロクタ樹皮から作られたこの手漉き紙(ロクタ紙)を購入することで、ハイイロオオカミやスノーレオパード、ヤクなど、21種類の絶滅危惧種を含む野生生物のため、42,000エーカーの森林を保護し、その生存の鍵となるコリドー(緑の回廊)を保全する手助けをしています。
アヴェダでは、毎年10月のエスティ ローダー グループのピンクリボン キャンペーン月間に、ハンド リリーフの限定版を発売し、1本の販売につき5ドルを乳がん研究基金(Breast Cancer Research Foundation®、BCRF)に寄付して動物実験を含まない乳がん研究をサポートしています。さらに日本で、200円*2(本体価格約5%)を米国乳がん研究基金(BCRF)やJBCRG(Japan Breast Cancer Research Group)等に寄付し、医療研究に役立てられます。
BCRFは、1992年にエブリン・H・ローダーによって設立された非営利団体で、全米各地の医療研究機関の乳がんに関する臨床・遺伝子研究に資金を提供している唯一の国立機関でもあります。BCRFについて更なる情報は、こちらをご参照ください。
アヴェダの寄付金は、有毒化学物質や汚染物質への暴露など、環境的要因と乳がんの関係性を探る研究のうち、動物実験を行わないものを対象としています。具体的には、乳がんにおける環境暴露や遺伝子の相互影響を探るニューヨーク市コロンビア大学の研究に長年、資金を提供しています。今後も同研究のほか、類似の研究を支援していきます。
2001年以来、アヴェダのピンクリボン募金には630万ドル以上の寄付金が寄せられています。これには、企業としての寄付金だけでなく、毎年10月にアヴェダ ネットワークを介して行われる乳がん研究基金®向け募金活動で集まった社員やお客様からの寄付も含まれています。
自分自身、そして周りの大切な人たちのために、セルフチェックと定期的な健診をしましょう。ちょっとした生活スタイルの変化や定期的な検診によって、すべてが変わってきます。早期発見が命を救う鍵です。実際、初期の局所的な乳がんであれば治癒率は98%にも上ります*3。
定期的に自分で乳房をチェックし、何か変化に気づいたらお医者さんに相談しましょう。
20代や30代のうちから定期的に乳がん検査を受けましょう。40歳を過ぎたら、あるいは40歳未満でもリスクが高いと感じれば、マンモグラフィー検診を毎年受けましょう。
繊維や栄養素を含む野菜や果物を多く取る習慣をつけましょう。
適切な体重を維持しましょう。体重が増えすぎるとリスクも高まります。
アルコールの摂取量を制限し、より健康な生活を送りましょう。
たばこを吸うのは止めましょう。現在喫煙している場合はすぐに禁煙しましょう。
たくさん運動しましょう。アメリカがん学会(American Cancer Society、ACS)によれば、乳がんのリスクを抑えるには、週に5日以上45~60分の運動を意識的に行うと良いと言われています。
美しい朱色をしたブラジルのウルク種子を栽培するヤワナワ族は、アヴェダの支援により、成長と再生に向けて一丸となって働いています。
ブラジル・アマゾン奥地のリオ・グレゴリオ支流沿いに、先住民族であるヤワナワ族の故郷があります。彼らの本土は、先祖から伝わる熱帯雨林や、村のある川岸の平野、点在する狩猟スポットなど、92,859ヘクタールもの広大な土地に広がります
一般にアナトーとして知られるウルクの調達にまつわるアヴェダ独自のストーリーは、このブラジルの先住民族の再生物語でもあります。アヴェダの創設者が20年以上前に初めてヤワナワ族に出逢った際、鮮やかな朱色の染料であるウルクを彼らが伝統的に顔や身体のペイントデザインに使用していたことにインスピレーションを受けました。以来アヴェダは、様々なタイミングで色々な製品やパッケージにこの原材料を活用するようになりました。そして、ヤワナワ族との関係を育んできた中で、共に多くの成果を挙げ、重要な変化をもたらしてきたのです。
ヤワナワ族のコミュニティは19世紀後半から長年、苦しんできました。ゴム栽培者たちが、ヤワナワ族が先祖から受け継いできた土地を強奪し、熱帯雨林を切り開いてゴムの大農場の作り、ヤワナワ族の人々を強制的に働かせたのです。これと同じ時期に、宣教師たちがヤワナワ族をキリスト教に改宗させようと企み、彼らの伝統文化やリチュアルを抑圧しました。以降ヤワナワ族は、自分たちのアイデンティティーを守り、何百年も続いてきた伝統を維持しようと、何世代にもわたって必死に抵抗を続けたのです。20世紀半ばになり、天然ゴム市場が衰退していくと、伝統的な狩猟や農業よりも安定した現金収入に頼るようになってしまった多くのヤワナワ族は、仕事を求めてブラジルの都市部へ向かい、村を出ていきました。こうして伝統文化の維持がさらに難しくなりました。
状況が好転する兆候が初めて見られたのは1984年。宣教師たちが、布教団に入団してもらおうと、ビラキ ブラジルという若者を選出した時でした。ヤワナワ族出身だったビラキ氏は、学習をするために近くの都市、リオブランコに派遣されました。そこで彼は、先住民族の権利を保証する法律があり、先住民族に関わる事項を担当するために作られた政府機関があることを知ったのです。ビラキ氏は、ヤワナワ族の土地に対する合法的所有権の証拠を集めて故郷に帰り、土地の返還を要求する戦いへとヤワナワ族の人々を導いていきました。1987年になり、ビラキ氏はヤワナワ族の長に選ばれ、その後、衰退していくゴム産業や宣教師たちからコミュニティを独立させたのです。
コミュニティの人々が故郷に帰り、部族の伝統と文化を再建するためには、経済的に自立できる方法を編み出すことがヤワナワ族にとって重要な課題となりました。100年近くもの間、現金収入への依存度が高まっていってしまったからです。
アヴェダとヤワナワ族が初めて繋がりを持ったのは、このようなニーズが生まれている最中でした。1992年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された初の国連環境開発会議(地球サミット)において、ビラキ氏とアヴェダの創設者、ホースト レッケルバッカーが会合を持ったのです。
ウルクの染料は、トゲトゲした実の種子から採れ、ヤワナワ族の精神的・文化的生活に不可欠な原料です。個性の表現に使用する他、特別な儀式では、部族の重要なシンボルである複雑な幾何学模様のボディ ペインティングに使用したり、身体に均等に塗り込むこともあります。デザインは人それぞれ違っていて、それを描く一人ひとりがアーティストなのです。広く利用されている成分の、このクリエイティブで美しい活用法を知り、アヴェダは、アナトー供給の特別な調達先としてヤワナワ族に惹きつけられました。
アナトー染料は安価な食品着色料で、熱帯地域で商業的にアナトーを生産している業者は他にもありますが、アヴェダはあえて、このコミュニティと提携することに決めました。なぜならアヴェダは、伝統的な農法を支援し、植物に関する知識など先住民の奥深い智慧と文化を守る手助けをすることにこだわりを持っているからです。
自生する作物を、部族の伝統的活用のために収穫するところから、原材料として生産するまでの道のりは、簡単ではありませんでした。最初の10年間、実際に生産されたウルクはごく少量でしたが、その間に処理技術が開発・改良され、第三者の処理業者が特定されました。また、この間にコミュニティではリーダーの交代が行われました。近隣都市でビジネスを勉強していた部族の若き一員、タシュカ ヤワナワ氏が、ビラキ氏の後継者として長老たちに選ばれたのです。
2000年代に入り、タシュカ氏のリーダーシップのもと、目覚ましい進歩を遂げました。伝統文化のさらなる再建、現代医療の導入、食糧安全保障の向上、そして、部族にとって最も重要な、先祖から伝わる土地の公式な権利保証を実現しました。この間、ヤワナワ族は、アヴェダに対して安定的にウルクを調達することができ、アヴェダは様々な化粧品やパッケージにウルクを使用できるようになりました。しかし、2008年にリーダーシップの分裂が起きてしまいました。土地の保全については、ヤワナワ族は変わらず団結しており徹底していますが、現在はビラキ氏に従う者とタシュカ氏に従う者とに分かれています。
ヤワナワ族は、アヴェダとの協力関係を築いてから、アヴェダの支援によって多くの成果を挙げることができたと言及しています。
この協力関係は、アヴェダにも多くのメリットをもたらしました。例えば、
長年の協力関係の中で課題もいくつかありました:
長年のやり取りの中で試練もありましたが、ヤワナワ族との関係性は進化し続けてきました。この関係性はまた、多様な生物が生息する先祖伝来のアマゾン熱帯雨林を保全するために一企業とひとつの先住民コミュニティーが力を合わせ尽力してきた感動的なストーリーでもあるのです。
アヴェダは、ブランドの情報発信において使用するコミュニティのイメージ画像の肖像権を補償し、コミュニティの様々なプロジェクトを支援するため、アソシアサオ ソシオクルトゥラル ヤワナワ (Associação Sóciocultural Yawanawa – ASY) に所属するコミュニティからの新たなウルク調達法の開発を支援し続けています。同時に、アヴェダはヤワナワ族全体との活動も行っており、真のサステナビリティと経済的自立を実現できるよう、将来に向けて様々な可能性を見出そうとしています。まだこのプロセスの初期段階ではありますが、彼らの原生林を守るため、炭素隔離や流域保護、生物多様性の保護などの 「エコシステム サービス」 に対して対価を得る機会を、力を合わせて調べています。28年間に及ぶ実に素晴らしい関係性が、長期に渡って功を奏する結果に結びつくよう、アヴェダは引き続きヤワナワ族全体をサポートし連携を継続していきます。
*1 アヴェダは動物由来成分を配合せず、動物実験も行わない主義です。
*2 10月の1ヶ月間で販売する本数対象
*3 限局期の乳がん(リンパ節や胸部以外に転移していない乳がん)と診断された女性の5年生存率は98%ですが、リンパ節近くまで侵襲している場合(局所期)は84%、リンパ節や他の臓器に転移している場合(遠隔期)は24%まで生存率が低下します。
参照:Breast Cancer Research Foundation (外部サイトへ移動します)