成分調達のポリシー
この用語集にある主要成分が、
あなたのお気に入りのアヴェダ製品に価値を与えています。
各成分がどのように働き、どのような原料に由来するのか、
そして、 あなたのヘアケア習慣にどのような違いをもたらすのか、
ここで発見してみましょう。
成分のソーシングストーリー
この用語集にある主要成分が、
あなたのお気に入りのアヴェダ製品に価値を与えています。
各成分がどのように働き、どのような原料に由来するのか、
そして、 あなたのヘアケア習慣にどのような違いをもたらすのか、
ここで発見してみましょう。
「ピュアな花と植物エッセンスから生まれた美と科学」を実践するアヴェダでは、自然に勝る美のアーティストはいないと考えています。そのためアヴェダでは、可能な限り自然界由来成分*1の使用を増やしていくための継続的な努力を重ねています。
また、アヴェダは、単に自然界由来成分*1を使用するという以上に、地球とそこに住むすべての生物に負荷をかけない植物ベースの高機能製品を提供する方針を掲げています。
自然界由来:アヴェダは、植物、非石油系ミネラル、または水を含むその他の天然素材に由来する成分の自然界由来成分*1率を計算する際、ISO規格16218を使用します。自然界由来とは、(分子量で)成分の50%以上が天然であることを意味します。
より地球環境に配慮し、同時に私たち人間にとってもより良い、植物ベースの高機能製品を提供することへのこだわりは、単に自然界由来成分*1を使用することに留まりません。
アヴェダでは、「グリーンな成分」と自社で定義している成分を出来る限り使用し、自社の使命に沿った製品開発を進めています。
アヴェダは、高機能な製品によってお客様に利益をもたらすとともに、環境や社会に対する責任を果たし続けることを目標としています。
アヴェダの製品は、パラベンやフタル塩酸、ラウリル硫酸ナトリウムを一切配合していません。
世界各地のさまざまな地域から責任を持って主要成分を調達するなど、生態系や文化の多様性を確保するために尽力しています。
また、適正価格を支払うことによって、製品原料の調達先のコミュニティや経済にプラスの影響をもたらしています。
アヴェダでは、自社の目標を達成するには、グリーンな成分と呼ばれる成分を出来る限り使用する努力が必要だと固く信じています。アヴェダでは、以下の基準を少なくとも1つ満たす成分のことをグリーンな成分と呼んでいます。
命あふれる私たちの地球を大切にするというアヴェダの使命を果たすには、グリーンな成分を使った製品を継続的に開発・改良していくことが必要不可欠です。
アヴェダでは、収穫した農場や協同組合まで原料流通過程を遡ることができる、独自のトレーサビリティ システムを備えています。この制度は「Soil to Bottle℠(土壌から製品まで)」と呼ばれ、全工程において公正な報酬の支払いを保証するために活用されています。
アヴェダは、特定のコミュニティやサプライヤーと密接な協力関係を構築し、自社の独自成分の主要調達先として活用する道を探っています。また、こうして築かれた関係についてはアヴェダの広告でも何度も取り上げています。しかし時には、干ばつや害虫、能力の限界など、止むを得ない事情によって、こうしたコミュニティやサプライヤーから必要な量の成分が供給されない事態が発生します。まったく供給されないこともあれば、部分的に供給されることもあります。こうした状況が発生した場合、アヴェダは主要サプライヤーからの供給が再開されるまで、他のサプライヤーから高品質な代替成分を調達しています。
成分のソーシングストーリー
アヴェダは、アーユルヴェーダでその優れた効果で知られるターメリックをインドの会社ニサルガ(サンスクリット語で「自然」の意味)から調達しています。このパートナーシップにより、地球環境、生産農家、そして世界中の人々にとってより良いオーガニック農業の発展を支援しています。
5000年におよぶインドの伝統的な叡智であり、心身のバランスの調和を大切にしているアーユルヴェーダは「生命の科学」を意味しています。アーユルヴェーダの権威であるウパディエ博士夫妻の協力によって、アヴェダは創設当初からアーユルヴェーダの考え方に着目し、アーユルヴェーダで使われるパワフルな薬草を使うなど、その智慧を製品に取り入れてきました。
アーユルヴェーダの原則を守るために、そしてまた地球環境への配慮から、アヴェダはオーガニック成分を使用することにこだわり、インドの会社「ニサルガ」ともパートナーシップを結ぶこととなりました。
「ニサルガ」(サンスクリット語で「自然」の意味)は、バイオダイナミック農法を取り入れたオーガニック農法でアーユルヴェーダの薬草を栽培しており、自社農場を保有しながらも地域のオーガニック農場と提携して、受注したアーユルヴェーダの薬草を生産しています。
アヴェダは、この「ニサルガ」とパートナーシップを組んで、製品に配合するオーガニック ターメリックとアムラを調達しています。
ターメリックは「ニサルガ」のウンバリ オーガニック農場で栽培されており、これにより近隣の村人がたくさんの仕事を得ることができるようになりました。
アムラは、「ニサルガ」の提携農場のひとつであるデヴァラシュトル(Devarashtre)農場で栽培されています。この農場は「ニサルガ」の支援を受けてオーガニック認証を取得しました。このように、「ニサルガ」は多くの小規模農場にとって認証取得の障害となっている費用を代わりに支払っています。ここでは村人がアムラを手摘みで収穫し、種を取り除いて果実を乾燥させてから加工用に出荷しています。
抽出処理を行う際、「ニサルガ」では、有毒な残留物を出さずに低い温度で、効能の高い抽出物を生産するという、CO2を使った地球環境に配慮した方法を採用しています。
「ニサルガ」は、化学肥料や農薬の危険性を懸念してオーガニック農法への転換を奨励しており、長年にわたって約3万5,000農家を対象に定期セミナーを開催し、多くの農家をオーガニック農法へと移行させています。また、パートナーである農家に代わってオーガニック認定の費用を支払い、移行を成功させるために継続的な教育支援も行っています。
アヴェダは、「ニサルガ」をサポートすることにより、地球環境、生産農家、そして世界中の人々にとってより良いオーガニック農法の発展を支援しているのです。
※ 博士夫妻はインドのハリドワールにあるマハルシ バルドワジ クリニック兼リサーチセンター(Maharshi Bhardwaj Clinic and Research Centre)でアーユルヴェーダ医療を実践し、アーユルヴェーダの研究を行っています。
成分のソーシングストーリー
ブラジルのマランハオ州では、女性たちが何世代にもわたってババスナッツを採集してきました。
ブラジルのマランハオ州では、女性たちが何世代にもわたってババスナッツを採集してきました。女の子は大人になると母親から、固いババスナッツの端を叩き割って販売用に実を取り出す方法を教わります。それは、辺鄙な農村地方で家族の生計を立てるため、女性たちが代々伝えてきた技なのです。
しかし、1970年代に酪農牧場が拡大し、伐採が増加した結果、森が切り開かれ、女性たちにナッツ採集料が課されるようになってしまいました。
ナッツ割りを生業にしていた女性は、次のように語っています。「いろいろと不当な目に遭いましたが、ひどいことをする人たちには常に法律の後ろ盾がありました。一緒にナッツ割りをしていた女性のうち、少なくとも7人が不当に逮捕されました。彼女たちは起訴され、私たちは闘いました。正義のための闘いです。そして、なんとか7人を自由の身にすることができました。」
女性たちはコミュニティの仲間とともに「フリーババス法」を要求し、これを成立させます。現在では同法の下、ババスの木の保全が進められるとともに、私有地に自生するババスの木からナッツを採集する現地コミュニティの権利が保護されるようになりました。
ナッツ割りの女性たちはさらに他の農場労働者とともに、COPPALJという名の協同組合を結成し、権利のさらなる拡大を目指しました。こうして、正当な労働対価が保証されるようになったのです。
COPPALJの共同設立者で最高経営責任者を務めるレイモンド ネトは、「COPPALJの直轄組合員は158世帯に上りますが、その他にも千数百の家族を支援しています。平均すると1,500世帯くらいいると思います。」と言っています。 この協同組合では、女性たちが採集したババスの実を購入し、油を圧搾して販売しています。そして、アヴェダの理念に共感するブラジル国内のパートナーがこれを買い取って精製しています。
ナッツ割り協同組合はASSEMA(コミュニティ開発事業や技術支援・指導、地元住民の権利擁護やババスの木の保護を行う非営利団体)にも加盟しています。
ババスオイルの力を発見した1996年以来、アヴェダはナッツ割りの女性たちの生活をサポートしています。その支援は次の2つに分けられます。
一つは彼女たちが採集したババスから取れるオーガニック オイルを大量に購入することで生計を支えること、もう一つはナッツ割りの女性たちとその家族を支援するASSEMAプログラム(周囲の生態系を保護しつつ食料安全保障の向上を図る持続可能なオーガニック農法に関する教育など)への資金援助です。
アヴェダでは、生活改善支援が重要であると考えています。同じく、きれいな水も重視しています。そのため、ナッツ割り世帯の支援では、この2つを両方とも取り入れた方法を考案しました。2011年および2014年にアースデー月間の寄付金の一部を使ってナッツ割りコミュニティがきれいな飲料水にアクセスできるように支援したのです。
あるコミュニティでは、きれいな水を汲むために6キロも歩かなければなりませんでした。村人全員の水を汲む際は馬を1頭率いて行きますが、帰り道で馬がよろめいて水をこぼしてしまい、それまでの苦労を水の泡にしてしまうこともありました。
2011年の資金援助では、雨水溜めを3つ設置しました。それぞれ30,000リットルの雨水を溜めることができます。また、衛生改善のために3つのコンポストトイレも設置しました。
2014年の資金援助では、別のコミュニティに同様の支援を行い、きれいな水へのアクセスと衛生状況の改善に努めました。
マランハオ州のある女性は、自分のコミュニティに設置された新しい水供給システムについて、「今までの人生で一番良かったことよ。私にも子どもたちにも素晴らしいことだわ。私だけでなく、村全体の役に立っているの。アヴェダには心からお礼を言いたいわ!」と話してくれました。
しかし、私たちこそ、ナッツ割りの女性たちに感謝しているのです。ババスの力をアヴェダに、そしてお客様に届けるため、彼女たちがどれほど懸命に働いているかを考えれば、感謝せずにはいられません。
ブラジル産のオーガニック ババスオイルは、アヴェダのさまざまなヘアケア、ボディケア、スキンケア製品に使われています。
アヴェダの原料流通過程を遡るトレーサビリティシステム
(オーストラリア西部)
広大でひどく乾燥したオーストラリア西部の大地に自生するサンダルウッド。その木々から現地先住民族のコミュニティが採取したオイルをアヴェダは購入しています。
サンダルウッド(学名サンタラム スピカタム)オイルは、アヴェダの数多くのオリジナルアロマブレンドに使われている重要な成分です。豊かで奥深いウッディな香りに洗練された落ち着いたノートが加わり、複雑でミステリアスな雰囲気を醸し出すこのオイルは、アヴェダでも特に人気のあるスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品に使われています。
広大でひどく乾燥したオーストラリア西部の大地に自生するサンダルウッド。その木々から現地先住民コミュニティが採取したオイルをアヴェダは購入しています。
アヴェダはこれらのコミュニティと長年提携関係を続けています。高品質のエッセンシャルオイルを購入するだけでなく、世界市場との橋渡しをしています。地球を大切にするという自社の使命に基づき、アヴェダはオーストラリア西部の地元精油蒸留所と協力してオイルに支払う報酬がサンダルウッドを採集する先住民族に直接届くように配慮しています。
成分のソーシングストーリー
(ブラジル)
この保湿オイルがどのようにしてコミュニティの暮らしを守ることに役立てられているのか、ブラジルを訪れて見てみましょう。
命の木が生み出すオイル
ブリティの木が川沿いに生息することから、ブラジル奥地のピアウイ州の人々は 「ブリティのあるところに水あり」 と表現します。その実から採れるオイルがあまりに保湿力に優れていたことに導かれ、アヴェダは、新たなパートナーシップを組みました。私たちが住むこの地球を大切に守るというアヴェダと共通の使命を持つブラジルの会社、ベラカ社は、原料の調達先に住む人々の生活を守り向上させることに尽くすため、多くの家族に収入が行き渡るよう、ブリティ オイルを地元の協力者から購入しています。
成分のソーシングストーリー
(ブルガリア)
アヴェダとエニオ ボンチェフ(ブルガリアのローズオイルとラベンダーオイルの蒸留所)の提携により、ロマの人々に正当な待遇と報酬が保証されるようになりました。
アヴェダとエニオ ボンチェフ(ブルガリアのローズオイルとラベンダーオイルの蒸留所)の提携により、ロマの人々に正当な待遇と報酬が保証されるようになりました。この提携について詳しく見てみましょう。
ブルガリアのバルカン山脈のふもとの谷間、タニチェニという小さな村から程近いところに、野生のラベンダーやバラが咲き乱れる花畑と精油蒸留所があります。そこでは、地元の村人や流浪生活を続けるロマの人々の多くが生計を立てています。家族経営のエニオ ボンチェフ蒸留所も花の摘み取りや蒸留所の作業に必要な人員を雇用し、村の主要な収入源となっていますが、それだけではなく、経営者から従業員に必要な衣食や医療サービスも提供しています。アヴェダは、エニオ ボンチェフからラベンダーオイルとローズオイルを購入することでこの地域経済を支える手助けをするとともに、同社に寄付をすることで従業員の生活の質の向上も支援しています。
エニオ ボンチェフ蒸留所は1907年に設立されましたが、共産主義政権下で50年近く閉鎖を余儀なくされた結果、地域一帯は貧困に陥り、地元労働者も放浪の民であるロマの人々も仕事を失ってしまいました。その後、1992年に創設者エニオ ボンチェフの子孫であるディミトリィ リッシチャロフとフィリップ リッシチャロフが蒸留所を再建します。現在では、約25人の村人が一年を通してフルタイムで働いているほか、冬場以外の季節労働者として約50人が雇われ、除草や植え付けなど、花畑の手入れを行っています。収穫期には、さらに40人が蒸留所の作業員として、ロマの人々を含む250人が花畑の作業員として雇われます。ロマの人々の中には近くの町に住んでいる者もいますが、交通手段があまりないため、蒸留所では1日3回送迎バスサービスを提供しています。一方、山間の村々からロバの引く荷車に乗ってやってくるロマの人々は仕事場に家族全員を連れてくるため、蒸留所では大人たちが働いている間も子どもたちが遊べるように玩具を用意しています。
ラベンダーやバラを摘み取る作業は大変な労力を要するものです。花畑作業員は夏の炎天下に終日、手摘みした茎を荷車に積み込んでいきます。多くの蒸留所は、この工程を機械化してコストや人員を削減していますが、エニオ ボンチェフの経営者はそれよりもコミュニティでの雇用確保を重視しています。また、手摘みであれば余分な茎があまり入り込まないため、より純度の高いオイルを生産することができるという利点もあります。花摘みのシーズンが終わると、労働者は間引きや移植を行い、余った植物原料を堆肥にして土に返します。共同経営者のフィリップ リッシチャロフは次のように述べています。「ここは私たちの土地です。私たちはこの土地を養い、育んでいます。なぜなら、この土地が私たちを養い、育んでくれているからです。この土地は自由であり、私たちの家であり、健康の源でもあります。この土地には生きていく上で必要なものがすべて揃っています。」
エニオ ボンチェフ蒸留所では、2002年にオーガニック農法を取り入れて米国農務省認定も取得しています。アヴェダは、この高品質なオイルを大量に購入することで同蒸留所を支援しています。継続的に購入することで、蒸留所の経済的な安定を保証し、経営者による福利厚生の拡大を支援しているのです。エニオ ボンチェフではすべての常勤作業員が歯科治療を受けられるようになっているほか、花畑作業員が熱中症などで気分が悪くなったときにすぐ対応できるように医師を雇ったり、作業員や同伴の子どもたちに朝食と昼食を無料で提供したりしています。また、摘み取り作業員には日光から身を守るための軽量コットンTシャツと帽子を提供しています。2008年には、アヴェダの寄付金を使ってトイレやシャワー設備も導入されました。
エニオ ボンチェフ蒸留所は、従業員や地元コミュニティに対する正当な待遇と思いやりの上に成り立つビジネスモデルが成功することを明らかにした好例です。それは、関与するすべての人に恩恵がもたらされるシステムなのです。作業員を大切にするなど、エニオ ボンチェフ蒸留所に関する口コミが毎シーズン広がり、花畑に多くの作業員が詰めかけるといった好循環が続いています。
成分のソーシングストーリー
(ブルガリア)
アヴェダとエニオ ボンチェフ(ブルガリアのローズオイルとラベンダーオイルの蒸留所)の提携により、ロマの人々に正当な待遇と報酬が保証されるようになりました。
アヴェダの原料流通過程を遡るトレーサビリティ・システム
(スペイン)
スペイン産シスタスから抽出されるオイルはアヴェダにとって欠かせない原料ですが、このオーガニック認証原料は採集作業員にとっても非常に重要な存在です。アヴェダとアンダルシアンの村人たちとの提携により、地球にやさしいシスタス事業が誕生しました。
スペイン産シスタスから抽出されるオイルはアヴェダにとって欠かせない原料ですが、このオーガニック認証原料は採集作業員にとっても非常に重要な存在です。アヴェダとアンダルシアの村人たちとの提携により、地球にやさしいシスタス事業が誕生しました。
シスタス ラダニファー(スペイン語では「ジャラ」)は、再生、更新、復活の木です。何世紀にもわたってアンダルシアの景観に溶け込んできた植物であり、地元の野生生物、農業、植物のバランスを支える影の立役者でもあります。シスタスは時に「自生の雑草」と言われ、「ハンニチバナ」とも呼ばれています。野生のシスタスは、岩場や乾いた大地、オークやカシの木が点在する日当たりのよい平原に自生しています。実際、アンダルシアでは、他の地方に比べて、岩が多く乾燥した土地ほどシスタスが勢いよく繁茂しています。また、アヴェダのアロマ製品において重要成分として使われている樹脂も、乾燥した自然条件下の方がたくさん生成されます。
シスタスは、年に一度、晩冬の天気の良い日に数日だけシワシワの白い五弁の花を咲かせます。熱い夏の時期にはこってりとした樹脂を葉や枝から分泌し、元気の出る豊かな香りを放ちます。一度手折っても、次の夏には新しい枝が自動的に再生します。
20世紀初頭からアンダルシアの人々は野生のシスタスを採集し、ヨーロッパ内の香料業者や精油蒸留所に販売していました。1989年、エッセンシャルオイルの抽出を専門とするフランス企業ビオランデ社がプエブラ デ グスマンというアンダルシアの小さな田舎の村に蒸留所を設立し、環境に配慮したシスタスの採集・加工法に関する訓練を始めます。そして現地の環境の微妙な違いやニーズと密接に関わる人々を雇用し、シスタス生産事業の利益を地元に還元するとともにコミュニティに新たな雇用機会を作り出しました。その結果、職を探して村を出ることなく、生まれながらの土地に留まることができるようになりました。このように、持続的なシスタスオイルの採集と生産により、地域の成長と生計を支え、調和を確保しているのです。
野生の灌木からエッセンシャルオイルを作り出すシスタスの加工処理は毎夏アンダルシアから始まります。まず、何百人もの地元作業員がオーガニックに育てられたシトラスの小枝を集めます。足元の乾いた土を踏みしめる足音と、コオロギのリズミカルな鳴き声が響く中、シスタスの枝を2フィート(約38センチメートル)の長さに切り取り、手作業ながら一人1日400キログラムの枝を採集します。ホズと呼ばれる月鎌を用いて、香りの良い、熟した若枝のみを切り取っていきますが、その際次の年に新しい枝が生えるように6インチ(約15センチ)ほど根元を残しておきます。こうした刈り取り方法により、シスタスは自然の成長サイクルを維持することができるのです。
刈り取られた小枝は15キログラムずつ束ねてトラックで地元の精油蒸留所まで運ばれます。そして20人の地元作業員によってゴムまたはオイルに加工されます。出来る限り無駄を省いて資源を保全するため、残ったシスタスの枝は薪の炉にくべて蒸留用の蒸気を作る燃料とします。こうした工夫により、蒸留所で石油燃料を使わずに済むにようしているのです。その後、新しく刈り取ったシスタスの束を蒸気で24時間蒸留します。毎日採集される400キログラムのシスタスの枝から約300グラムの金色のフレグラントオイルが抽出されます。その長期間持続する甘くスパイシーな力強い香りをアヴェダではさまざまなアロマに活用しています。
最高品質のオーガニックシスタスのエッセンシャルオイルを探していたアヴェダは2002年、プエブラ デ グスマンを訪れました。当時はまだ精油蒸留所もなく、シスタスオイルのオーガニック認証も取得できていませんでしたが、アヴェダはビオランデ社と話し合いを持ち、従来の採集・生産プロセスをオーガニック製法に転換する大変な道のりを円滑に進めるため、パートナーとして支援することを決意します。その結果、オーガニック転換のための透明性の高いビジネスモデルが誕生し、提携を通してさらに発展していきました。そして2005年、アンダルシア産シスタスオイルは、第三者オーガニック基準認証専門機関ECOCERT(エコサート)のオーガニック認証を取得することに成功します。現在アヴェダが調達しているアンダルシア産シスタスオイルはすべてオーガニック認証を受けています。結果として、アヴェダはオーガニック認証を受けたビオランデ社製シスタスオイルの取引量を2倍に増やし、同社のアンダルシア産オーガニック認証シスタスオイルの90%を調達しています。
こうしたビオランデ社とアヴェダの持続可能なビジネス提携は発展し続けており、アンダルシアの野生シスタスも同様に繁茂し続けています。また、この提携では、アヴェダの美容のプロフェッショナルとお客様に、高品質のオーガニック シスタス エッセンシャルオイルを継続的に提供する持続可能なサイクルが出来上っています。プエブラ デ グスマンの村は、シスタスを中心に小規模生態系がコミュニティや地球と調和を保つ良い事例となっています。野生シスタスが自己永続的な繁茂を続ける限り、この再生可能で追跡可能なサイクルは続いていくでしょう。それは、採集から精油抽出まで、すなわち「Soil to Bottle℠(土壌から製品まで)」の美しくバランスのとれたサイクルなのです。
「シスタスは私の生活そのものです。それは家族の生活、子どもたちの生活、そして遺産なのです」
-ローマン(アンダルシア州プエブラ デ グスマン村民)
樹脂独特の甘くスパイシーな力強い香りを長時間放つシスタスオイルは、アヴェダのさまざまなアロマ製品に配合されています。
成分のソーシングストーリー
アマゾンの奥地でクプアスバターが農業と森林の活性化にどれほど役立っているかを見てみましょう。
アマゾンの奥地―そこには従来の農法からアグロフォレストリー農法への転換を図る農業協同組合がありました。ブラジルのトメアス周辺における彼らのオーガニック認証クプアスが農業と林業の活性化にどれほど貢献しているのかを見てみましょう。
ブラジルは美しいアマゾンの奥地に位置するトメアス。その辺境に住む農家の人々が生計を立てるのに苦労するようになったのは、それほど昔のことではありません。原因は、何十年も続く伐採と焼畑に基づく伝統的な農業や酪農牧畜によって土地が痩せてしまったためです。こうした農法では小規模家族農業を継続的に支えていくことはできないと思い知らされることになりました。
2005年、状況を打開しようと20以上の農園が集まって協同組合を結成しました。そしてより持続可能な農法としてアグロフォレストリー農法を取り入れることを決意します。ブラジルナッツやクプアスといった木々の間にパッションフルーツや黒胡椒といった作物を植栽することで、痩せた土地に自然な方法で栄養を与え、各作物の収穫高を増大させることができると分かったのです。
農家の多くは、周りの木々や作物と互恵棲息できる在来植物、クプアスを植えるようになりました。果肉は当初から食べ物として売られていましたが、種子はその隠れた価値に気付くまで廃棄されていました。実は、その種子の方こそ、保湿効果の高い貴重なコンディショニングバターとして世界市場で価値が“うなぎのぼり”になっていた原料だったのです。
やがて種子の販売も始まり、2006年にはその多くが認定オーガニック農法を取り入れて更に価値を高めていました。そして2014年、協同組合はグローバル グリーングランツ ファンドを通したアヴェダの寄付を使って種子乾燥機を1台購入し、自分たちでバターまで加工できるように環境を整えました。その結果、種子だけを売っていた頃より収益が4倍も増大することになりました。
協同組合の販売部長マヌエル ド カルモは次のように語っています。「このように加工できるようになったおかげで、収益が増えました。子どもたちの教育にもっと投資できるようになりましたし、住宅や交通環境も改善しました。」
自分たちの最大の投資は、自分たちの成功モデルを学びに来ている何千人もの人々、そして将来トメアスに戻って自分たちの残した遺産を引き継ぐであろう若者世代にも広まり、ブラジル全土に波及すると彼らは考えています。
成分のソーシングストーリー
ブラジルのマラジョ島でアンディローバオイルがいかに持続可能な生活スタイルを支えているか見てみましょう。
*1 自然界由来成分とは、成分の由来の大半が植物、非石油系ミネラルまたは水であることを意味します。